木の“余白”に宿る美
🍃木の“余白”に宿る美
― 節・割れ・歪みが語る、自然の美学 ―
家具として木を扱うとき、多くの人が「真っ直ぐで、傷がなく、完璧な板」こそ良いものだと思いがちです。
しかし、本当に美しい木とは――
欠けや歪みといった“不完全さ”の中に、自然の力がそのまま宿る木ではないでしょうか。
祭り屋が大切にしているのは、まさにその“余白の美”です。
◆ 節(ふし) ― 枝の記憶が生み出すデザイン
節とは、木が長い年月の中で伸ばしてきた“枝の痕跡”です。
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節は木の生きた証
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木目に動きを与え、唯一無二の表情を生む
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無機質ではない、温かな存在感
高級材でも、節をあえて魅せることで、空間に力強いアクセントが生まれます。


◆ 割れと契り(ちぎり) ― 補修を超えた“調和の美”
木が乾燥する過程で生まれる割れ。
祭り屋では、これを隠すのではなく“契り”を施すことで美しく昇華します。
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契り=単なる補修ではなく、木と職人をつなぐ象徴
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蝶型契り、金魚型契りなど、造形としての美しさ
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割れのラインが木の個性を際立たせる
自然と人の技が出会う場所が、契りのある一枚板です。


◆ 歪み・曲がり ― 自然の造形を受け止める
真っ直ぐではない木、均一ではない木目。
それらは長い時間を生き抜いてきた木だからこそ持つ“表情”です。
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曲がりは木が環境に適応してきた証
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不均一なラインほど、空間に奥行きが生まれる
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人工には作れない“揺らぎ”
自然そのままの造形は、家具に静かな迫力を与えます。


◆ 不完全こそ、美しい
木の個性は、完璧さではなく“不完全さ”の中に潜んでいます。
欠けているからこそ、心を惹く。
歪んでいるからこそ、味わいがある。
これは、自然だけでなく、人の生き方にも重なる美学です。

✨まとめ
節・割れ・歪み。それらは決して欠点ではなく、
木が生きてきた証であり、唯一の個性です。
祭り屋はその個性を尊重し、“余白の美”を大切にする家具づくりを続けています。
不完全を受け入れる心が、空間をより豊かなものにしてくれるのです。
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