一枚板テーブルに使われる代表的な木々の立木と葉の特徴
一枚板テーブルに使われる代表的な木々の立木と葉の特徴
一枚板テーブルに使われる木は、ただ大きく育つだけでなく、材の美しさ・耐久性・個性を兼ね備えています。
この記事では、代表的な 11種類の木 を取り上げ、4つの観点から詳しくご紹介します。
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分布・生育環境
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立木の姿(樹形・樹高・樹齢)
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葉の形・特徴
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材の性質(家具材としての魅力)
日本の代表的な広葉樹
1. ケヤキ(欅)
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分布・環境:日本全国に自生するニレ科の落葉広葉樹。都市部の街路樹や寺社の境内木としても多い。
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立木の姿:樹高30m以上、幹回りは数mに達する巨木になる。枝を大きく四方に広げ、堂々とした樹形は「神木」として信仰の対象にも。寿命は数百年。
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葉:長さ5〜12cmの楕円形。先が鋭く尖り、縁に鋸歯(ギザギザ)。表面は濃い緑で光沢があり、裏はやや白っぽい。秋には黄葉する。
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材の特徴:硬く強靱で耐久性が高い。力強い木目と赤みを帯びた色調が特徴で、日本建築や高級家具に古来より用いられる。
2. トチ(栃)
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分布・環境:本州・九州の山地に多く見られる落葉広葉樹。湿潤な谷筋に育ちやすい。
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立木の姿:樹高20〜30m、直径1mを超える巨木になる。春には白い花を円錐花序に咲かせる。寿命は数百年。
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葉:掌状複葉で5〜7枚の大きな小葉が放射状に広がる。1枚の小葉でも20cmを超えることがある。秋には黄色に紅葉。
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材の特徴:淡い乳白色〜やや黄色味を帯びる。柔らかく加工しやすく、縮杢(ちぢみもく)が出ると高級材として珍重される。
3. クスノキ(楠)
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分布・環境:暖地に多い常緑広葉樹。日本では本州南部〜九州に自生。街路樹や巨木として神社仏閣に多い。
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立木の姿:樹高30m以上、幹回り数mの巨木。樹齢千年以上のものも存在し、生命力が非常に強い。
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葉:長楕円形で光沢があり、厚みを持つ。葉をもむと樟脳(しょうのう)の芳香を放ち、防虫効果がある。
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材の特徴:黄緑色〜褐色を帯びる。狂いが少なく、香りが良い。家具や彫刻材として利用される。
4. カエデ(楓/モミジ)
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分布・環境:日本各地の山地に多く分布。種類が非常に多く、紅葉樹として名高い。
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立木の姿:樹高10〜15m程度。庭木や公園樹としても栽培され、秋には鮮やかな紅葉を見せる。
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葉:掌状に深く切れ込みが入る。品種により形や切れ込みの深さが異なる。秋には赤・黄・橙に色づき、景観を彩る。
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材の特徴:緻密で硬く、光沢がある。縮杢やバーズアイなど独特の杢が現れることもあり、高級材として人気。
5. ヤマザクラ(山桜)
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分布・環境:日本各地の山地に自生する落葉広葉樹。
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立木の姿:樹高10〜20m程度。春に葉と花を同時に開く。樹皮は横長の皮目が特徴的。寿命は200〜300年。
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葉:長楕円形で縁に細かな鋸歯。新葉は赤銅色を帯び、花と同時に芽吹くため独特の景観を作る。
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材の特徴:硬く粘りがあり、加工性も良い。赤褐色で光沢があり、木目が美しい。家具や工芸品に広く用いられる。
6. タモ(アッシュ)
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分布・環境:北海道から本州北部にかけて分布。寒冷地を好む。
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立木の姿:樹高20〜25m。真っ直ぐ伸びる樹形で、森林資源として重要。
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葉:奇数羽状複葉で、長さ30cm前後。小葉は細長く、縁に鋸歯。秋には黄色に色づく。
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材の特徴:淡い黄白色で、まっすぐ通った木目が美しい。粘りが強く、野球のバット材や家具材に利用される。
海外の人気材
7. ウォールナット(ブラックウォールナット)
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分布・環境:北米原産のクルミ科落葉広葉樹。
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立木の姿:樹高30〜40m、直径1〜2mの大木に育つ。寿命は200年以上。
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葉:奇数羽状複葉。小葉は7〜19枚で細長い。秋には黄色に紅葉。
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材の特徴:濃褐色で木目が美しく、高級家具や銃床に使われる。世界的に人気。
8. ポプラ
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分布・環境:北米・ヨーロッパ・中国に広く分布。成長が非常に早い。
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立木の姿:樹高20〜30m。細長い樹形で並木や防風林に利用される。
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葉:ハート形や卵形。風に揺れると葉裏が白く輝く。
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材の特徴:軽く柔らかい。色は淡く、白っぽい。一枚板として瘤が現れて人気。
9. モンキーポッド(レインツリー)
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分布・環境:熱帯アメリカ原産。ハワイや東南アジアでも街路樹として栽培。
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立木の姿:樹高20〜25m。傘のように広がる樹冠が特徴。寿命は100年以上。
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葉:二回羽状複葉。多数の小葉をつけ、夜になると閉じる就眠運動を行う。
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材の特徴:辺材は淡い黄色、心材は濃い褐色。コントラストが美しく、テーブル材に人気。
10. ブビンガ
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分布・環境:アフリカ中部の熱帯雨林に分布。成長が遅いが巨木になる。
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立木の姿:樹高40〜50m、直径2mを超える大木。幹はまっすぐで巨大な板が取れる。
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葉:単葉で長楕円形、革質で厚みがあり光沢がある。
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材の特徴:赤褐色から紫を帯びた色合い。重硬で非常に緻密。虎斑杢やリップルマークなど美しい杢が出る。
11. サペリ
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分布・環境:アフリカ西部〜中央部の熱帯に分布するセンダン科の落葉高木。
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立木の姿:樹高30〜45m。直材が取れるため伐採利用が盛ん。
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葉:奇数羽状複葉。光沢のある楕円形の小葉を持つ。
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材の特徴:赤褐色でリボン杢が現れやすい。マホガニーに似ており、代替材としても用いられる。
まとめ
一枚板に使われる木々は、数十メートルの巨木に育ち、数百年を生きる大樹が中心です。
立木の姿は堂々としており、葉の形は多彩。材としては木目や色合いが個性的で、世界中で家具材・工芸材として重宝されてきました。
一枚板を眺めるとき、「この板が生まれた木は、どんな森に立ち、どんな葉をつけていたのか」を想像すると、その価値と魅力がさらに深まります。
K