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ホーム > 新着情報 > 国産クルミの価値と海外産ウォールナットとの違い

2025.11.29

国産クルミの価値と海外産ウォールナットとの違い

クルミの実がなっている木

一枚板や無垢家具を探していると、

  • 「ウォールナット」
  • 「クルミ(Japanese Walnut)」

という名前を目にすることが多いと思います。

どちらもクルミ科の木ですが、日本の木材業界では

  • ウォールナット=北米産ブラックウォールナット材
  • クルミ=日本のクルミ材

というように、別の木として扱われています。

では、日本の「クルミ」と海外産の「ウォールナット」には、どのような違いがあるのでしょうか。本記事では、

  • 国産クルミ材の特徴
  • 北米産ウォールナットとの違い
  • どういう人にどちらが向いているか

を分かりやすく解説します。


国産クルミ(Japanese Walnut)とは

ここでいう国産クルミとは、主に オニグルミ など、日本に自生するクルミの仲間を指します。北海道〜本州各地に分布し、昔から暮らしの中で利用されてきた木です。

特徴的な色合い

  • 辺材:灰白色〜やや黄みを帯びた明るい色
  • 心材:淡い〜中間的な茶褐色(少し赤みが出ることも)

全体としては、「濃すぎない、やさしいブラウン」で、ナチュラルな雰囲気のインテリアによくなじみます。

年月とともに少しずつ色に深みが増し、飴色っぽく変化していく のも魅力です。

木目と質感

クルミ材の木目は、

  • 穏やかで柔らかい表情
  • 派手すぎないが、近くで見ると“揺らぎ”や表情がある
  • という特徴があります。木肌は比較的なめらかで、

あたたかみのある素朴な雰囲気 を持っています。

硬さ・使い心地

クルミ材は、広葉樹の中では 中くらい〜やや柔らかめ のグループです。

適度な硬さがありつつ、
「触ったときに冷たすぎない・重すぎない」バランスの良い材と言えます。


海外産ウォールナット(ブラックウォールナット)とは

木材業界で「ウォールナット」といえば、ほぼ 北米産ブラックウォールナット(学名:Juglans nigra) のことです。世界的にも高級家具材として位置づけられています。

濃く重厚な色合い

  • 心材:チョコレート色〜紫がかった濃い褐色
  • 辺材:白〜明るいクリーム色

濃淡のコントラストがはっきりしており、重厚でシックな印象 が強い木です。

経年変化としては、濃い茶色から、少しずつ 明るく黄みがかったブラウン に変化していくと説明されることが多いです。

硬さと耐久性

ブラックウォールナットは、クルミに比べて 一段階しっかり硬い・重い材 です。

そのため、

  • テーブル天板
  • 床材
  • 椅子やソファのフレーム
  • 銃床・楽器用材

など、強度や耐久性が求められる用途にも広く使われています。


国産クルミと海外産ウォールナットの主な違い

1. 色合いと雰囲気

国産クルミ

  • 明るめ〜中間的なブラウン
  • ナチュラルでやさしい雰囲気
  • 経年で少しずつ濃くなり、飴色のような深みが出てくる

ブラックウォールナット

  • 非常に濃いチョコレートブラウン

  • コントラストが強く、重厚感・高級感がある

  • 時間とともに、やや明るく黄みを帯びた色へと変化

部屋を明るめ・ナチュラルにまとめたい → クルミ
ホテルライク・シックにまとめたい → ウォールナット

というイメージで考えると分かりやすいです。


2. 木目の表情

クルミ(国産)

  • 穏やかな木目で、主張しすぎない

  • ナチュラル系・北欧インテリアと相性◎

  • 節や皮がある材を選ぶと、素朴でラフな表情にも

ブラックウォールナット

  • うねりや渦巻き、杢など、表情が豊かになりやすい

  • 1枚で空間の主役になる存在感が出る

どちらが「美しいか」ではなく、
好みの世界観やインテリアのテイストに合うかどうか で選ぶのがおすすめです。


3. 硬さ・使い勝手

  • ウォールナット:クルミよりも硬く重い
    → 傷に対してやや強く、長期使用にも向く

  • クルミ:中くらい〜やや柔らかめ
    → 小さな当たり傷はつきやすいが、足触りや手触りが柔らかい

「多少の小傷も味として楽しみたい」派ならクルミ、
「できるだけ傷が目立ちにくい方が安心」という方にはウォールナットが向きます。


4. 価格帯と入手性

市場全体で見ると、

  • ウォールナット:世界的な人気に加え、近年のウッドショックもあり、高級材ポジション

  • クルミ:同じクルミ科の中では比較的手の届きやすい価格帯(ただし、幅広・厚みのある良材はしっかりした値段)

という傾向があります。

ただし、一枚板クラスになると、

  • 板の大きさ(長さ・幅・厚み)

  • 木目の表情

  • 節・割れの有無

  • 乾燥や仕上げのクオリティ

によって価格は大きく変わるため、「必ずどっちが高い」とは言い切れない のが正直なところです。


国産クルミが選ばれる理由

海外産ウォールナットに比べて、国産クルミには次のような魅力があります。

1. 日本の家に馴染む色と質感

  • 無垢フローリング

  • 漆喰・クロスの白壁

  • 和室や障子のある空間

など、日本の家の要素との相性が非常に良い色味 です。
「暗くなりすぎず、でも安っぽくも見せたくない」というときにちょうどよい存在感になります。

2. 暮らしに寄り添う経年変化

クルミは、使い込むほどに少しずつ色が深まり、手の触れる部分から艶が出てきます。

大きな色変化ではなく、「いつの間にか、いい感じになっている」というタイプの経年変化なので、長く付き合いやすい木です。

3. 国産材を選ぶという価値観

輸送距離の短い国産材を選ぶことは、

  • 森林資源の循環

  • CO₂排出の抑制

といった観点からも評価されるようになってきています。
「どうせ買うなら、なるべく国内の木を使いたい」という方には、国産クルミは有力な選択肢になります。


クルミとウォールナット、それぞれ向いている人

国産クルミが向いている人

  • 明るめ〜中間トーンのナチュラルインテリアが好き

  • 和と北欧のミックスのような雰囲気にしたい

  • 足触り・手触りのやわらかさを重視したい

  • 小傷や経年変化も「味」として楽しみたい

ウォールナットが向いている人

  • とにかく濃いブラウンで、重厚感を出したい

  • ホテルライク・ラグジュアリーな空間が好み

  • 床や建具もダークブラウンで統一している

  • 高級感のあるコントラスト強めの木目が好き


まとめ:国産クルミは「暮らしになじむウォールナットの仲間」

  • 国産クルミは、ウォールナットと同じクルミ科の仲間で、
    明るめ〜中間ブラウンのやさしい色合いと穏やかな木目 が魅力。

  • 北米産ウォールナットに比べると、

    • 色:やや明るくナチュラル

    • 硬さ:少しソフトでやわらかな触り心地

    • 雰囲気:暮らしになじみやすい

という違いがあります。

  • 「重厚でラグジュアリー」なウォールナット

  • 「暮らしにすっと溶け込む」国産クルミ

どちらもそれぞれの良さがあり、どちらが上・下という話ではありません。
ぜひ、実物を見比べながら、ご自分の暮らしや好みに合う一枚を選んでみてください。