2025.12.12
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マイクロプラスチック汚染とは?私たちの体・食べ物・環境に起きていることをわかりやすく解説
※本記事の内容は2025年12月時点の研究・報道をもとにしています。
ペットボトルやレジ袋、食品トレー。便利なプラスチックですが、今は「マイクロプラスチック汚染」という形で地球や私たちの暮らしに影響を及ぼしています。
海の問題だと思われがちですが、実は飲料水・食べ物・空気、そして体内からも見つかっているというのが最新の研究です。
この記事では、マイクロプラスチックとは何なのか、どんな影響があるのか、そして私たちが今日からできることまで、やさしくまとめていきます。
マイクロプラスチック汚染とは?まずは簡単に解説
マイクロプラスチックの大きさ・定義
マイクロプラスチックは5ミリ以下の小さなプラスチック片のこと。
髪の毛より細いものや、さらに微細な「ナノプラスチック」もあります。
どこから発生しているのか?
実は、生活のあらゆる場面で生まれています。
ペットボトルや袋が劣化して砕ける
洗濯で化繊の糸くずが流れ出る
タイヤの摩耗
洗顔料のマイクロビーズ
製造過程の粉じん
これらは川や海に流れ込むだけでなく、大気中にも舞い上がり、雨と一緒に降り注ぐことが分かっています。
「海の問題」だけではない理由
都市の空気、農地の土壌、山や北極・南極など、地球上あらゆる場所から検出されています。
つまり今は「どこにも存在する」レベルに広がっているということです。
私たちは毎日どれくらい摂取しているのか
飲料水・食塩・空気中からも取り込んでいる
ペットボトル水、水道水、塩、魚介類、ビール、蜂蜜など、さまざまな食品から検出されています。
さらに呼吸を通して空気中の微小プラも吸い込んでいます。
"1週間でクレジットカード1枚分"って本当?
2019年の研究では、人は1週間に約5g(クレカ1枚分)を摂取している可能性があるとされました。
ただし推計には議論もあり、「もっと少ないかも」という意見もあります。
それでも“体に入っていることは確か”というのが現在の共通認識です。
体内ではどうなるの?
大きめの粒は排出されますが、ナノサイズになると血液中に入り、体の中を巡る可能性があります。
近年の研究では血液・胎盤・肺・肝臓からも検出されており、体の深い部分にまで入り込むことが分かってきました。
最新研究で分かってきた健康への影響
胎盤・血液・臓器からの検出
2021年に妊婦の胎盤から初めて検出され、2022年には人の血液からも確認されました。
ここ数年で、マイクロプラスチックが私たちの体に「確かに存在している」ことが明らかになっています。
炎症・免疫・ホルモンへの影響が懸念されている
主に動物実験で、
腸の炎症
腸内細菌の乱れ
ホルモンへの影響
免疫機能の低下
生殖機能への影響
などが報告されています。
人間での長期的な影響は研究中ですが、「注意すべき存在」であるのは間違いありません。
“有害物質の運び屋”になる可能性
プラスチックは有害化学物質を吸着しやすく、そのまま生物の体に運び込むことがあります。
これが汚染の複雑さをさらに深めています。
マイクロプラスチック汚染が環境に与える影響
海→食物連鎖へ
プランクトンや小魚が誤食し、それを食べる大型魚、海鳥、そして人間へと食物連鎖を通じて移行していくことが報告されています。
土壌→植物の成長への影響
農地の土壌では、マイクロプラスチックが根の成長を妨げたり、光合成を弱めたりする可能性が指摘されています。
2025年の研究では、穀物の収量が4〜14%減る可能性も示されています。
農業・漁業・食料問題にもつながる
海や土が汚れれば、最終的には私たちの食卓にも跳ね返ってきます。
実はこの問題、“環境問題”であると同時に“食の問題”でもあるんです。
世界の動き:プラスチック規制と国際条約
EU:使い捨てプラの販売禁止
カナダ:使い捨てプラの製造・輸入禁止
日本:プラスチック資源循環促進法(2022〜)
さらに国連では「プラスチック汚染に関する国際条約」を進めていますが、2025年の会合では意見の対立から合意に至りませんでした。
では、どうすればいい?“自然素材の暮らし”という選択
木や天然素材は“土に還る”
木材・竹・綿などは自然に分解されます。
プラスチックのように何百年も残り続けません。
木材は成長中にCO₂を吸収するため、環境負荷も比較的低い素材です。
長く使えるものを選ぶのがいちばんのエコ
使い捨てではなく、「長く使える一品」を選ぶことが、一番の環境対策になります。
たとえば無垢材の一枚板テーブルは、手入れをすれば何十年、場合によっては世代を超えて使える家具です。
買い替えの回数が減れば、その分プラスチック製品より環境負荷を抑えられます。
今日からできる“小さな脱プラスチック”
保存容器を木製や陶器に
まな板を木製に
木製カトラリーに変える
マイボトル・マイバッグを持つ
蜜蝋ラップを使う
全部を変える必要はありません。
「できるところからひとつ」が未来を変えます。
まとめ:マイクロプラスチック時代をどう生きる?
私たちの体や食べ物、空気にまで広がっている
健康・環境・食料に影響が出る可能性がある
今日からの小さな選択が未来を守る
“何を選ぶか”がこれからますます大切になる
便利さの裏側にある問題を知った上で、自然素材や長く使えるものを選ぶ。
そんな暮らしが、自分にも地球にもやさしい生き方につながっていきます。
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